今回は、前回の記事「デザイン思考とは?初心者向けに簡単解説」の記事の中から「デザイン思考のプロセス」に焦点をあてて、さらに詳しく解説してみましょう。
▼前回の記事
はじめに
近年、「デザイン思考」という言葉がよく聞かれるようになりました。多くの企業や教育機関が採用し、問題解決や新たなアイデア創出に活用しています。しかし、「実際のところ、デザイン思考のプロセスとは具体的に何をするの?」と感じている方も多いのではないでしょうか。
この記事では初心者の方にもわかりやすく、「デザイン思考のプロセス」を詳しく解説します。
デザイン思考のプロセスとは?【基本解説】
「デザイン思考」とは、ユーザーのニーズや問題点を深く理解し、その解決策を創造的に導き出すための方法論です。「プロセス」とは、その方法を具体的に示した一連の手順のことを指します。
デザイン思考のプロセスは、通常5つのステップから構成されています。各ステップを順番に進めることで、複雑な問題もシンプルに整理され、より質の高い解決策が見つかります。
デザイン思考のプロセスを理解するための5つのステップ
①共感(Empathize):相手の気持ちを深く理解する
最初のステップは「共感」です。これは、ユーザー(利用者)の気持ちや状況を深く理解することを目的としています。自分の考えや先入観をいったん捨て、相手の視点に立って考えることが必要です。
共感を得るためには、ヒアリングや観察が効果的です。例えば、ある商品を開発するとき、その商品を使う人の生活を実際に見たり、話をじっくり聞いたりすることで、商品を使うユーザーの気持ちや状況をより理解することができます。
②課題定義(Define):本質的な問題を見つける
次に、共感で得られた情報から、解決すべき本当の問題を定義します。例えば、ユーザーが「時間がない」と言っていても、本当の問題は「効率的に作業ができない」ことかもしれません。このように表面的な問題にとらわれず、本質的な問題を明らかにすることが大切です。
課題を定義するときは、問題を具体的に言葉で表現します。曖昧な表現ではなく、明確で具体的な問題設定が重要です。
③アイデア創出(Ideate):自由に発想を広げる
課題が明確になったら、解決のためのアイデアをたくさん出します。この段階では、質よりも量を重視し、思いついたアイデアはどんな小さなことでも書き出しましょう。アイデア創出のコツは、常識や制約をいったん忘れて自由に考えることです。
例えば、チームでアイデアを出す場合はブレインストーミングという手法を使います。互いの意見を否定せず、アイデアをどんどん出していきます。
④プロトタイプ(Prototype):試作品を作ってみる
多くのアイデアの中から特に良いと思うものを選び、簡単な試作品(プロトタイプ)を作ります。試作品は紙や段ボール、デジタルツールを使った簡単なものでも構いません。
プロトタイプを作る目的は、実際に形にすることでアイデアの可能性を検証し、より具体的な改善点を見つけることにあります。
⑤テスト(Test):ユーザーの反応を見て改善する
プロトタイプが完成したら、実際のユーザーに試してもらい、フィードバックを集めます。このフィードバックを元に改善を重ねて、より良い解決策を完成させます。
テスト段階では失敗を恐れず、何度も繰り返し行うことが大切です。ユーザーから得た意見を元にプロトタイプを修正し、再びテストするというサイクルを繰り返します。
各ステップで初心者がつまずきやすいポイントと解決法
• 共感ステップのつまずき:「相手の立場になって考えるのが難しい」
―解決法:相手の話をよく聞き、相手の行動を具体的に観察する時間を作りましょう。
• 課題定義のつまずき:「問題が絞れず曖昧になる」
―解決法:見えている問題に対して「なぜ?」を繰り返すことで、本質的な問題を探り出します。
• アイデア創出のつまずき:「良いアイデアが出ない」
―解決法:初めから完璧なアイデアを求めず、とにかく数を出しましょう。すでに出ているアイデアを発展させる、アイデア同士を組み合わせるといった方法も効果的です。
• プロトタイプ作成のつまずき:「時間をかけすぎる」
―解決法:プロトタイプ作成の目的は、完成ではなく検証です。完璧を求めず、まずは簡単で素早く作れる試作品を作成します。
• テスト段階のつまずき:「ユーザーの意見が厳しい」
―解決法:厳しい意見は改善のためのヒントとなります。フィードバックを前向きに捉え、改善策を考えましょう。
デザイン思考プロセスの実践事例【初心者向け事例紹介】
例えば、自宅でのリモートワーク環境を改善する場合を考えてみましょう。共感では、実際にリモートワークをする人が何に困っているか聞き出します。
課題定義では「集中できるスペースがない」など本質的な課題を見つけます。アイデア創出では、専用デスクの導入、ノイズキャンセリングイヤホンの活用などが出ます。プロトタイプでは、家具配置の簡単な図を描いてみたり、イヤホンを短期間試してみたりします。テストでユーザーの意見を反映し、最終的な解決策を見つけていきます。
初心者でも今日から始められるデザイン思考プロセスの実践方法
初心者でもすぐに始められる方法として、身近な課題を見つけ、紙に書き出し、簡単な解決策を考えることからスタートしましょう。例えば、「朝の準備を効率化する方法」や「作業中の集中力を上げる方法」など、日常の小さなテーマを選ぶと実践しやすくなります。
まとめ
デザイン思考のプロセスを学ぶことで、問題解決力が高まり、日常生活でも仕事でも創造的なアイデアを生み出せるようになります。まずは気軽に始めてみてください。あなたも今日から問題解決の達人を目指しましょう!